自治体における押印の見直しについて
2021/1/28
押印は、簡易な確認の手段や一定の形式の証明を行うことなどを目的として、我が国で広く慣習として利用されてきました。
しかしながら、このたびの新型コロナウイルスのまん延により、経済4団体からの対面手続や書面手続(押印を含む)を求める規制・制度の見直しについての要望が取りまとめられ、規制改革推進会議によ る答申を経て、昨年7月に規制改革実施計画が閣議決定されました。
これを受け、昨年12月には、様式から押印が廃止される省令が公布されはじめるとともに、内閣府から自治体向けに押印の見直しに関する資料も提供されました。新型コロナウイルス感染症対策を契機と して、従来からの検討事項であった行政手続における書面手続きが大きく見直されようとしています。
今回は、押印の見直しについて、その意味を確認しながら議論を行っていきましょう。
1: ぷよぷよ
-
2021/01/31 12:42:06
一般的に押印には、次の意図があると認められます(内閣府「地方公共団体における押印見直しマニュアル」8頁)。
1 本人確認(文書作成者の真正性担保)
2 文書作成の真意確認
3 文書内容の真正性の担保
なお、民事訴訟法では、押印が私文書の真正な成立を推定する根拠になる旨が規定されています(228条4項)。
2: ぷよぷよ
-
2021/01/31 13:00:40
押印見直しマニュアルでは、押印が求められている趣旨を代替する手段として方法が挙げられています(8頁)。
・継続的な関係がある者のe メールアドレスや既登録e メールアドレスからの提出
・本人であることが確認されたe メールアドレスからの提出(本人であることの確認
には別途本人確認書類のコピー等のメール送信を求めることなどが考えられる)
・ID/パスワード方式による認証
・本人であることを確認するための書類(マイナンバーカード、運転免許証、法人の
登記書類、個人・法人の印鑑証明書等)のコピーや写真のPDF での添付
・他の添付書類による本人確認
・電話やウェブ会議等による本人確認
・署名機能の付いた文書ソフトの活用(電子ペン等を用いたPDF への自署機能の活用
等)
・実地調査等の機会における確認
今月のまとめ
2021/4/14
内閣府では押印・書面に係る制度を見直すため、今国会に提出されてるデジタル社会形成関係法律整備法の中で、48法律の一括改正を予定しています。もうしばらく自治体における押印の見直しについて意見交換をいたしましょう。