新行審法の施行が迫る!事務の準備は進んでますか?
2015/11/2
◎今回のテーマの『まとめ』を掲載いたしました。次回のテーマは「懲戒・分限処分」を予定しております。
このコモンズでは、以前にも新行政不服審査法を取り上げました。
今回は、同法の施行が、あと半年に迫ってきましたので、再度、話題にしましょう。
自治体における実務的な観点からは、法施行に向けて、次のような事務を行う必要があります。
まず、許認可などの行政処分に関わる部署の職員については、自らが担当している行政処分についての教示文を見直す必要があります。教示文は、行政不服審 査法その他の法令等に基づき不服申立てをすることができる処分をする場合と行政事件訴訟法に基づき取消訴訟が提起できる処分をする場合に、相手方に交付 する決定通知等に記載するものです。記載項目は、①当該処分について不服申立てをすることができる旨、②不服申立てをすべき行政庁、③不服申立てをする ことができる期間、④被告とすべき者、⑤出訴期間などです。この記載項目のうち、第一に、今回の改正で不服申立期間が延びたことから、この教示文の記載 項目うち、「不服申立てをすることができる期間」を「60日以内」から「3月以内」に改める必要があります。
第二に、不服申立前置が廃止された処分については、これまでの審査請求に対する裁決を経た場合に限り訴訟を提起できるとの教示を、審査請求も訴訟の提起 もできると改める必要があります。
第三に、不服申立先が直近上級行政庁であったものについては、最上級行政庁に変更されていますので、「不服申立てをすべき行政庁」についても改める必要 がある場合があります。また、新行政不服審査法では審査手続についても、大幅な変更が行われています(この点については「 (新)行政不服審査法 」の回 を参照してください。)。この点についても、それぞれの自治体で具体的な検討が始まっていることと思います。これらのことも、今回は議論していきましょ う。
1: ぴょん
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2015/11/03 01:39:33
私たちの自治体でも、改正行審法の施行に伴う例規等の制定改廃に向けた作業を行っています。
様式の教示文の見直しも行っていますが、もしかすると、そもそも教示文が必要なのに、教示文の記載がされていない様式もあるのではないかと思ったりもします。
この際、改めて確認したいと思いますが、不服申立てができる処分に当たるのか疑義が生じる場合も少なくありません。
例えば、一見同じような現金給付で、同じように、支給(給付)申請に対する支給(給付)決定という形式をとっている場合であっても、根拠が法律であったり、条例であった
り、規則であったり、要綱であったり・・・直接的には要綱に根拠があっても、実はもともと法律に例示された事業の一つだという場合もあったりします。
ちなみに、「臨時給付金」の支給は贈与なので、不支給決定も申請に対する拒否処分ではないとか。補助金も同様です。
なんとなく、法律や条例に根拠があれば不服申立てができ、そうでなければ、不服申
立てできないというようなイメージもあるのですが、本来どのように、判断すべきな
のか、迷っています。
やや漠然としていて、申し訳ありませんが、その判断基準等について、ご教示いただければ幸いです。
2: ぷよぷよ
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2015/11/03 09:22:20
>ぴょん様
現金の支給でも、その性格が「補助金」「扶助費」で性格が変わるものと思います。
>法律や条例に根拠があれば
支給の根拠が条例に書いてあれば、法的に受給の権利が与えられていると解釈できる場合があります。
ただし、条文で「予算の範囲内で補助することができる」と書かれている限りは、「金銭的補助」ばかりではなく「人的、物的補助」を行う余地もあります。
また、前者としても、予算が前提ですから、これに基づく「負担付贈与契約」として解釈される余地があります。
3: ぴょん
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2015/11/03 20:01:31
ぷよぷよ様
コメントありがとうございます。
つまりは、根拠が法律や条例であるか否かというより、その給付の性格が問題ということになりますかね?
それとも、根拠が法律や条例であることを前提として、性格が問題になるということでしょうか?
質問で申し訳ありません。
4: ぷよぷよ
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2015/11/04 23:22:42
>根拠が法律や条例であることを前提として、性格が問題になる
・支給の内容がどのようなものであるか
※その性格が扶助的なものか補助的なものか
・対象者に権利を付与するものであるか
は峻別した方が良いでしょうね。
補助的な性格であっても、法律や条令で対象者に権利を付与するものであれば、行政処分としての性格は明白です。
一方で、予算に基づき補助事業を行う場合は、予算執行の基準として「要綱」が定められるのが一般的です。
ちょっとややこしいですが、要綱は、法律や条例と異なり、給付行政の直接の根拠とはなりません。
予算に基づき(統一した事務手順を遂行するため要綱を策定した)補助金の支出は、「負担付贈与契約」と解されるのが一般的です。
【自治体の補助金の法的性質】千葉県のサイト
https://www.pref.chiba.lg.jp/seihou/gyoukaku/newsletter/documents/letter7-3-4.pdf
「契約」であるわけですから、その支給の決定は、行政庁による「処分」たる性格を持ちません。
5: ぷよぷよ
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2015/11/04 23:33:40
ただし、その見解については、自治体によって違いがあります。
同県内の政令市である千葉市では、補助金の支出に関する決定を行政処分として捉えているようです。
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【千葉市行政手続条例】3条2項
前項に規定するもののほか、【補助金等(市が交付する補助金、利子補給金その他相当の反対給付を受けない給付金であって、千葉市補助金等交付規則(昭和60年千葉市規則第8号)の適用を受けるものをいう。)の交付の決定その他の処分】については、次章及び第3章の規定は、適用しない。
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強調のために「【 】」で括った箇所を見ていただくと、「交付の決定」が「処分」の例示になっていることがお分かりいただけると思います。
※法制執務上、「その他の」の語は、その後に付く語が、その前に着く語を包括する。
先の千葉県における同種の条例と比較してみましょう。
-----------------------
【千葉県行政手続条例】3条2項
前項各号に掲げるもののほか、【補助金等(県が国及び県以外の者に対して交付する補助金、負担金、利子補給金その他相当の反対給付を受けない給付金をいう。)の交付に関する処分】については、次章及び第三章の規定は、適用しない。
-----------------------
一見してわかりにくいですが、「交付に関する処分」の記述は、「処分じゃない交付もあるからね」という言外の解釈の余地があると読むようです。
それによっての、前述の「負担付贈与契約」としての同県の説明に至るのでしょう。
また、補助金の交付に関しては、長による規則で定められるのが一般的ですが、国が法律で定めるように(「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」)、条例で定める自治体もあります(京都市など)。
京都市では、行政処分としての性格を明白に打ち出しているといえます。
6: ぴょん
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2015/11/05 07:14:18
ぷよぷよ様
詳細な解説ありがとうございます。
補助金等について、国や京都市のように、法律や条例が定められていれば行政処分、規則及び要綱に基づいた支給であれば、負担付贈与契約であり行政処分ではないとするのは、形式的にも整理しやすいですが、千葉市は、根拠が法律や条例であるか否かという形式面を基準としていないということですよね。
なかなか難しいですね。
7: ぷよぷよ
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2015/11/05 12:32:23
じゃあ、「行政処分」ってなんなの?
という根本的な疑問に立ち返ると、ざっくり言えば「権利・義務に影響を与えるもの」ということになるでしょうか。
「権利・義務に影響を与える」ようなオソロシイちからを「公権力」といいます。「公権力の行使」が「行政処分」であるわけです。
そのようなオソロシイ「行政処分」ですから、その手続・対象に対しては、法律で特別な取扱が要請されているわけですね。
補助金の交付決定に話を戻すと、住民にとってそれを行政処分とするか否かは、それぞれに良し悪しがあります。
【行政処分とする場合】
メリット 対象者の権利が手厚く保護される。
デメリット 一定期間が過ぎた後は、不可争力に基づき、救済の手立てが狭められる。
【負担付贈与とする場合】
メリット 不可争力に基づいて、救済の手立てが狭められることはない。
デメリット 行政手続法・行政不服審査法・行政事件訴訟法の対象とならない。
ただし、(ここが重要なのですが)行政処分であるか否かは、行政庁(権力主体です)の一方的な宣言によって決まるものではない、ということです。
ですから、このたびの行政不服審査法の改正に当たっては、既存の取扱を再確認し、どうあるべきかをあらためて検討する必要があります。
8: 北法研 パピコ
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2015/11/05 22:20:04
ぷよぷよさま。わかりやすいご説明ありがとうございます。
確かにこのたびの改正を契機に、既存の取扱いが再確認されればいいですよね。
ひょっとしたらラストチャンスかもしれませんね。
話が変わって申し訳ありませんが、標準審理期間についてお尋ねします。
個人的には標準審理期間はあったほうが望ましいと思っていますが、
審理員による審査手続き等の導入で「裁決までの期間」が読めないのが
実情かと思います。
ぷよぷよさま、ぴょんさまの自治体では設定等の動きはございますか?
9: ぴょん
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2015/11/06 00:36:17
ぷよぷよ様
やっぱり行政処分の概念は、難しいですね・・・
特に、行政処分であるか否かは、行政庁の一方的な宣言によって決まるものではないという点。結局最終的には、訴訟になって裁判所の判断が下されるまで、わからなかったりしますよね。
10: ぴょん
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2015/11/06 01:19:21
パピコ様
今のところ、標準審理期間の設定の動きはありません。
そもそも、うちの自治体では、不服申立てがほとんどありませんし、新行審法での運用をしてみないと、わからないというのが現実です。
しいて言えば、情報公開関係(個人情報関係)の審理期間であれば、何とかなるかなというところです。
もともと、審査会への諮問手続を経ていましたから、新行審法施行後も、審理員を置かず、審査会を経ることにすれば、手続は同様ですから。
11: ぴょん
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2015/11/06 01:38:40
連続ですみません。話は変わりますが…
新行審法では、首長が審査庁である場合は、審理員と第三者機関が必要で、首長以外の執行機関が審査庁である場合は、審理員も第三者機関も不要となっています。
合議体である委員会等が審査庁であれば、公正性が保たれるということのようですが、現実的には、中小自治体では、首長以外の執行機関の職員は少数で、原処分に関わった職員が審査請求の審理に関わる可能性が高くなるのでは?と考えています。
そこで、首長以外の執行機関においても、審理員を指名し、第三者機関を設置するという選択肢もあるのではないかと考えたりもしますが、可能なのでしょうかね(もちろん、必要な条例の制定、改正をするとして)。
12: 北法研 パピコ
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2015/11/08 00:56:14
ぴょんさま
私の理解が乏しく申し訳ありません。
首長以外の執行機関が審査庁となり、「審理員を置かない」場合に
「原処分に関わった職員が審査請求の審理に関わる可能性が高くなる」
とはどのような場合を想定されていますか?
個人的には条例での審理員の指名、第三者機関の設置は行政不服審査法
によるものではなく、「附属機関」としてとらえるのならOKのような
気がしますが・・・
的外れでスミマセン・・・ぷよぷよさま、他のみなさまいかがですか?
13: ぴょん
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2015/11/08 10:37:13
パピコ様
説明不足ですみません。
審理員が置かれる場合、改正行審法第9条第2項により、原処分に関わった職員は、審理員になれません。
一方で、審査庁の補助をする職員や第三者機関の事務局を担う職員は、原処分に関わっていても、少なくとも法的には、構いません(もちろん、公正性には疑問がありますが)。
一方で、審査庁が首長以外の執行機関である場合は、改正行審法第9条第1項により、審理員を置く必要がありませんし、第三者機関への諮問手続も不要です(同法第43条)。
この前提で、首長以外の執行機関が審査請求の審理を行う場合、審査庁である委員会等の事務局が裁決書の原案を作成することになります。
しかしながら、中小自治体の場合、首長以外の執行機関の事務局職員は少数であることが多く、原処分に関わった職員が裁決書の原案作成などにも関わることになるのではないかと考えているのです。
14: ぷよぷよ
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2015/11/08 15:10:43
コメントが遅れて申し訳ありません。
>標準審査期間
現時点で実務を離れているので、当自治体の方針はわからない(失礼!)のですが、当自治体でも、不服審査の申出は、情報公開に関するもののほか、保育所入園と税に関するものくらいが想定されるところです。
標準審査期間を定めることが利用者の利便を向上させるものとはいっても、運用の想定が不十分な状況で定めることは、かえって制度の運用を阻害しかねないのではないかと懸念します。
>条例による制度の創設
仮に創設したとても、法律の制度に「平行して存在する」存在になろうかと考えます。
具体的に言えば、一部自治体で導入されている、苦情処理のオンブズマン制度のように、自治体が独自に導入する制度としての範囲を超えるものではないでしょう。
もちろん、それを否定するものではありませんし、興味深い論点であると考えます。
15: ぴょん
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2015/11/09 07:07:31
パピコ様、ぷよぷよ様
結局、首長以外の執行機関における審理員の設置は、改正行審法の「審理員」と同様の制度を、法の上乗せ?横出し?の制度として、条例で設けるものとすれば、一応可能ということになりますかね。
一方で、首長以外の執行機関であっても、第三者機関に類似する、情報公開・個人情報審査会へ諮問手続をとるのは変わらないと思います。国の情報公開法等でも、これまで同様の制度設計ですし。各自治体とも同様だと思いますが。
16: 北法研 パピコ
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2015/11/09 23:08:50
ぷよぷよさま
確かに附属機関よりも、市民オンブズマンのほうが的確ですね。さすがです!!
ぴょんさま
ご懸念、問題提起はごもっともだと思います。
でも、建て前の話をさせてください。
首長以外の執行機関に審理員がおかれないのは、
「合議体である委員会等が審査庁であれば、公正性が保たれる」
からとされています。
仮に条例で「審理員」を設けることは、
「合議制等で公正中立な機関」を否定することにならないでしょうか?
得られるものよりも、失うもののほうが大きい気がします。
中小自治体の「実態」を知らない私が言うのもおかしな話ですが、
そう感じたもので・・・
17: bottom
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2015/11/10 00:28:14
唐突ですいません。
標準審理期間についてですが、ある程度の不服申立件数を処理している自治体については、個々の処分ごとに、不服申立ての提起から裁決・決定までの平均的な処理日数は算定可能だと思います。
少なくとも、そのような自治体については、これまでの平均的な処理日数に、審査会での審査想定日数(生活保護法では20日想定のようですが)+アルファを加算して、標準審理期間を設定すべきではないでしょうか。
18: ぴょん
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2015/11/10 00:32:47
パピコ様
建て前は、そのとおりなんです。
それを重々承知のうえ、あえて言えば、合議制で公正中立に判断したはずの原処分を、同じ審査庁が覆すことは、逆に難しいのではないかと思うのです。
もちろん、実際の原処分は、課長等が専決していることが多いと思いますので、実際に合議体の委員会等で審査すれば、結論が変わる可能性は少なくないのかもしれませんが。
19: 北法研 パピコ
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2015/11/11 00:32:28
bottomさま
コメントありがとうございます。(参考になります!!)
ぴょんさま
仮に条例で審理員と同様の制度を置かれる場合、「原処分に関わっていない職員」
を指名するのですよね。
中小自治体で首長以外の執行機関に、「原処分に関わっていない職員」がいなければ、
他の執行機関の職員を条例制度での審理員として充てるのですか?
他の執行機関の職員が審理員の役割を果たせるのか疑問が残ります。
(実態としてはできるのですか?)
不服審査の正当性が失われませんか?
またまた建て前でスミマセン。
20: ぴょん
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2015/11/12 06:44:43
パピコ様
コメント遅くなりまして、すみません。
首長以外の執行機関に審理員(に類する職)を設けるとした場合、当該執行機関に「原処分に関わっていない職員」がいなければ、 例えば、市長部局の職員(法制担当など)を併任したうえで、審理員とすることで対応できるのではないかと考えます。
また、法が想定している審理員についても、弁護士等を非常勤職員として任用したうえで、審理員とすることは可能なようなので、このような対応をとることもありうると考えています。
21: 北法研 パピコ
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2015/11/12 23:59:47
なるほど。併任ですね。その手がありますね!!
申し訳ありませんが、私が理解が遅いので、論点整理させてください。
首長以外の執行機関に、審理員(に類する職)を置く場合、
1 審理員を条例で定め、行政不服審査法の制度として指定が可能。
2 審理員を条例で定め、行政不服審査法の制度の外(平行して)
で設置可能。
3 審理員を条例で定めることは、「首長以外の執行機関の組織性質」
からして望ましくない。
となろうかと思います。
私は建前に固執し、3です。
ぴょんさまのご懸念はごもっともですし、不服審査改正の趣旨を考えると
ぴょんさまが正しいと思います。
ただ行政組織の大切な部分が崩れる気がして・・・
他の論点追加も含めて、ぷよぷよ様、bottomさま、その他のみなさま
いかがでしょうか?
22: ぴょん
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2015/11/13 00:42:32
パピコ様
論点整理ありがとうございます。
ひとつ確認しておきたいと思うのですが、審理員とは、文字通り、審査請求の審理を行う者で、審理員意見書を審査庁に提出するものの、裁決はあくまでも審査庁が行うということです。
そう考えると、一種の附属機関(諮問機関)的な補助機関とも言えそうです。
それを踏まえて、パピコ様の論点整理についてですが、私としては2です。
さすがに、法で明確に除外されているので、法の制度を直接適用することにはならないと思うものの、法の趣旨に反するものではなく、法の制度の上乗せ又は横出しの制度として審理員に類する職を設置するのであれば、構わないのではないかと考えます。
そうすると、第三者機関も必要になるのかという点が、もう一つ論点になるかもしれないですが。
23: くすのき
-
2015/11/13 11:15:12
〔補助金の性質について〕
遅くなりましたが、標記について。
補助金の交付決定が処分かどうかについては、補助金の性質などは関係ありません。
規則は法規なのですから(自治法15条)、補助金交付規則の名宛人が住民であり、「決定」との用語が使用されていれば、処分であることは明白です。 東京都のように「申請させる」と職員向けに規程されている場合は訓令の役割になりますから、当然、処分性はありません。
ややこしい話ではなく、義務を課すのではないから規則でも処分ができると考えればよいことです。
そもそも、前にご指摘があったように、多くの行政手続条例で「処分」と自治体自らが認めているものを議論する余地はないのではないでしょうか。住民のがwから処分性を否定する局面は考えられません。
なお、補助金交付規則で返還命令を規定している自治体も多いですが、当然、処分としての効力はありません。
24: くすのき
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2015/11/13 15:29:53
〔審理員について〕
審理員を条例で置くことはできないと考えます。委員会の専権ではないでしょうか。
以前の問題として、審理員を置く必要性がよく分かりません。気をつけないと審理員をおくことで、自ら「うちの委員会は信用できませんよ。」と宣言していることになりかねません。法律は「委員会なら審理員がいなくても公平に審理できる」と宣言しているわけですから。
〔審理員と行政不服審査会の役割分担について〕
事案に関わる時系列の違いだけではなく、役割の中身がどう同違うのでしょうか。
通常、このような重層的な仕組みが採られている場合は、同じ職権を重ねて行使するのではなく、後から関わる機関の職権が限定されている(手続違反や事実誤認をだけを審査する等)場合が、多いのですが。
いずれにしろ、審理員や不服審査会に弁護士などを起用した場合は、不服審査における「違法・不当」のうち、「不当」の部分は審理されにくくなりますね。行政的判断はできないでしょうから。
25: ぴょん
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2015/11/14 16:31:08
くすのき様
コメントありがとうございます。
補助金の交付決定の処分姓については、補助金交付規則の名宛人が住民で、交付「決定」がされていれば、処分ということですね。
ということは、少なくとも、法律、条例又は規則に根拠がある、利益的な「決定」は行政処分と考えてもよいということでしょうか。
首長以外の執行機関の審理員については、より公正性を高めるための選択肢として可能性を探っているところなんですが、ご指摘のとおり、たしかに、委員会等の反発を招くことにもなりかねませんね。
審理員と行政不服審査会についてですが、改正行審法の制度通りであっても、実務上はなかなか運用が難しいと思っているところです。
例えば、現行制度上の情報公開審査会では、同審査会が実質的審理の役割を担っていますが、(審理員が設置させた場合の)行政不服審査会では、審理員が審理をしたうえで作成した審理員意見書を基にその適否を判断するのが役割ですから、役割が異なるんですよね。
この違いを認識して、うまく運用していく必要があると思っています。
なお、弁護士等では「不当」か否かの判断が難しいという点は、そのとおりですので、審理員や審査会委員の選任においては、留意しないといけませんね。
26: bottom
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2015/11/15 18:29:50
審理員は、職員から指名されるので、法律の専門家というわけではないと思います。
なので、それなりの感じで、違法・不当を判断するしかないと思います。
そのうえで、違法性を中心に、審査会委員が審査をするといった感じではないでしょうか?
そのため、審理員候補者には広く行政実務に精通したバランスの取れた判断ができる職員を配し、審査会委員には、弁護士や大学教員などを任命するのが適当ではないでしょうか。
27: ぴょん
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2015/11/15 19:51:39
bottom様
たしかに、改正行審法が想定している役割分担は、そうなるんでしょうね。
ところで、実際の審理員の人選は、どのような職位、職の職員を選任するのか、迷うところです。
特に、審査庁の補助をする職員や第三者機関の事務局をする職員との分担も難しいと思っていますが、各自治体では、どのようにする予定なのでしょう?
28: くすのき
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2015/11/16 11:10:06
ぴょんさま
人選の問題を考える前に。審理の実際を考えてみましょう。
ポイントになるのは「審理の指揮」だと思います。
新法の規定を見ると「弁明書」や「反論書」の提出ややりとりは1回限りとは規定されていません。また、裁判のような対審のしくみを取り入れているようです。
ですから、審理員が毅然としていないと申立人が満足するまで、何度も反論させなければ収まりが着かない自体に及ぶことは十分に考えられます。
本制度は、そうではありませんが、完全な第三者機関が審理する場合の欠点はここにあります。
審理の不備を追及されることを恐れ、慎重になりすぎます。職権主義は形骸化し、ほぼ当事者主義に陥ります。裁決書も客観的には論点ではない部分にまで、とにかく反論書における疑問についてはすべて長々と言及しているのが実情です。裁決の取消し訴訟を提起されることを恐れるのです。
また、口頭審理の場を整然と効果的に進めるだけでも相当な法務能力と「押しの強さ」が必要です。
本制度も、そうなりかねません。
以上のことから、一般的には、学識の方は不向きだと考えます。
29: くすのき
-
2015/11/16 11:18:46
前のコメントの捕捉です。
本法の「職権主義」が、「判断代置」を意味するのかどうかをはっきりさせておく必要がありますね。
審理員や審査会が申立ての内容から全くはなれて、白紙の状態で「私だったらこう処分する。」という判断までできるのかどうかです。
30: bottom
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2015/11/17 00:02:19
少なくとも審理員については、判断代置でよいのではないでしょうか?
そうでなければ、審査請求人が論点のずれた主張をした場合には、違法不当な処分であってもそのままになってしまい、審査法が求める「行政の適正な運営の確保」が達成できなくなると思います。
そして、審査会については、審査会による職権探知は否定しないけれども、原則として審理員の判断した内容を対象に審査を行うということではないでしょうか?
31: ぴょん
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2015/11/17 07:10:41
判断代置まで踏み込むとなると、原処分についての知識や経験もある程度必要ではないかと感じます。
それでいて、審査請求の対象となる原処分に関わっていない職員を指名しなければなりませんから、審理員の人選は難しいですね。
32: くすのき
-
2015/11/17 09:01:06
以下は、制度理解としてはおかしいのでしょうが・・・。
実際には、審理員の役割は、基本的には「事実誤認がないか」と「手続違反がないか」に限られるのではないでしょうか。裁量判断の部分については、先例との対比を中心に「平等原則違反の有無」程度になると考えます。
審理員設置に関して。
法9条1項3号に「附属機関」が審査庁である場合は、適用除外とされていますね。
ここでいう「附属機関が審査庁」とは建築審査会や開発審査会のことであり、情報公開条例などで、自治体が創設した審査庁は含まないのだということは確認しておかなければなりませんね。行服法の想定外ですから。
33: くすのき
-
2015/11/17 12:03:01
審理員の確保の難しさから、再調査制度(法5条)の活用が期待されますよね。
「正式な苦情申立て」のような機能として。住民にとっても不服申立てよりも簡易です。
実務的にも「ここで、見直さなければ、正式に不服申立てされる。」というプレッシャーから再調査制度が機能することも十分にあると考えます。今でもこの圧力は効果があっていますから(笑)。
ですから、条例に基く処分等に対しては口頭でも再調査の請求ができるようにする(法61→19条1項)といいと思いますね。
34: ぴょん
-
2015/11/18 00:33:54
情報公開審査会や改正行審法の第三者機関(行政不服審査会)は、審査庁ではなく、あくまでも、諮問機関なんですよね。
ところで、私の理解では、再調査の請求ができるのは、法律に定めがある場合に限られると思っていたのですが。
35: くすのき
-
2015/11/18 12:22:21
ぴょんさん。そうですね。再調査は法に定めがある場合だけですね(5条)。
第五条
行政庁の処分につき処分庁以外の行政庁に対して審査請求をすることができる場合 に おいて、法律に再調査の請求をすることができる旨の定めがあるときは、当該処分に 不服がある者は、処分庁に対して再調査の請求をすることができる。ただし、当該処分 について第二条の規定により審査請求をしたときは、この限りでない。
国税通則法など限られた法律に規定があるのですね。
(国税に関する処分についての不服申立て)
第七十五条 国税に関する法律に基づく処分で次の各号に掲げるものに不服がある者は、当該各号に掲げる不服申立てをすることができる。
この「不服申立て」を「再調査」に読み替える改正がされています。未施行です。
国税庁のHP(《コラム》国税不服申立制度の改正の概要)では、審査請求と自由選択である旨を断った上ではありますが、従前の税務署長に対する異議申立ての代わりに再調査制度があるように説明されています。
少し、趣旨が違う気がします。
36: くすのき
-
2015/11/18 16:52:58
法改正関係の資料を見ると、やはり、再調査は異議申し立ての代わりの制度のようですね。
しかし、従前の異議申立てと審査請求の違いは、基本的には申立先の違いであり、審査の内容に制度上の違いはなかったと思うのです。しかし、再調査は、軽易な判断ミス等を審査請求より簡便な方法で修正するという趣旨も含まれている(含まれていなければならない)と考えます。
異議申立て→再調査という認識は正しいのでしょうか。もっと、積極的に両者の差別化を図るべきだと考えます。
37: 北法研 パピコ
-
2015/11/18 23:50:48
不服審査の請求が多い分野(税)には個別法で再調査の規定がある
ということでしょうか。
改正行審法の趣旨(より簡易に迅速に)から考えると、
くすのきさまご指摘の通り、異議申し立てと再調査をイコールで
考えるのはなじまない気がします。
確認ですが、審理員は職権で「執行停止」の意見書を審査庁に提出できる。
もうひとつ、審理員意見書の提出を受けた審査庁は、意見書を精査して、
裁決の内容を決め、その裁決内容について審査会に諮問する。
(意見書をそのまま審査会に諮問して審査会に裁決案を求めるものではない)
でよかったでしょうか?
38: bottom
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2015/11/19 01:22:28
審査庁が審査会に諮問をする際に、審査庁としての判断を付するのか、付さないのか(審理員意見書をそのまま諮問するのか)は、審査会の意向も踏まえて個々の自治体で判断することではないでしょうか?
審査会の答申がどうであれ、裁決書を作成するのは審査庁ですので、必ずしも、審査会に諮問する際に、審査庁としての判断を示す必要はないと思います。
39: ぴょん
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2015/11/20 00:15:38
すみません。話を変えてしまいますが、改正行審法では、資料の写しの交付の手数料について、条例で定めることになっています。
これまで、例えば情報公開条例に基く開示文書の写しの交付については、手数料としてではなく、実費を負担するとしていましたが、改正行審法に基づく、資料の写しの交付については、やはり手数料として定め、徴収することとしなければなりませんかね。
40: 北法研 パピコ
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2015/11/20 01:36:04
ぴょんさま
問題提起ありがとうございます。
頑張ってついていって、改正行審法の理解を深めたいと思います。
改正行審法38条4項の
政令(条例)で定めるところにより、「実費の範囲内において」
政令(条例)で定める額の手数料を納めなければならない。
単純に国語読みすると、
特定の者のためにするものだけど(自治法上の手数料)、
行審法改正の目的のために「額は実費の範囲でね」というところでしょうか?
審査請求人等による提出書類等の交付請求を
特定の者のためだけど、交付を受けるのは当然の権利として
手数料ではなく、実費という考えもあるのでしょうか?
41: ぴょん
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2015/11/20 07:16:42
パピコさま
論点整理していただいて、ありがとうございます。補足します。
例えば、情報公開の場合、多くの自治体では、「開示」自体の手数料は徴収しないものの、写しの交付については、情報公開条例で「写しの交付を受けるものは、規則で定めるところにより、当該写しの作成及び送付に要する費用を負担しなければならない。」などと規定されているのではないでしょうか。
つまり、情報公開制度においては、写しの作成等に要する費用の負担は、手数料ではなく、実費の負担ということです。
しかし、改正行審法38条4項では、写しの交付について、「実費の範囲内において政令(条例)で定める額の手数料を納めなければならない。」とされていますので、やはり手数料とすべきなのかということです。
42: くすのき
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2015/11/20 11:40:15
ぴょんさま
>情報公開制度においては、写しの作成等に要する費用の負担は、手数料ではなく、実費の負担ということです。
ということは、「写しの交付を受けるものは、規則で定めるところにより、当該写しの作成及び送付に要する費用を負担しなければならない。」の規定は、条例事項(手数料は条例事項)を規則に委任しているのではなく、単に条例から規則に委任している規定だという事ですね。
いきなり、規則で定めてもよい(実費ですから、純粋な義務付けではないとも考えられますから。)ということでしょうか。
43: ぴょん
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2015/11/20 23:43:27
くすのき様
実費の徴収自体は、手数料の徴収とは異なり、条例で規定しなくても可能だと理解しています。もちろん、納付義務を課すには条例で規定する必要があるでしょうし、手数料と実費の区分も微妙だとは思いますが。
ただ、改正行審法では、写しの交付について、実費の範囲内の手数料を納付しなければならないと規定しているということは、実費であっても手数料として、徴収しなければならないということなのか、と改めて考えたところです。
44: ぷよぷよ
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2015/11/21 09:36:05
「手数料」として定めるのであれば、条例での規定が必要でしょうね。
「実費の範囲内において」という記述は、請求を(実質的に)制限するためプラスアルファ分の額の設定をを排除する意図なのではないでしょうか。
45: ぷよぷよ
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2015/11/21 09:40:22
ちょっと話が戻ってしまいますが、私が聞いた自治体では、審理員の候補として、再任用の元部局長を検討しているとのことでした。
(個人の資質はあるにせよ)知識や経験ばかりではなく、調整力(庁内への顔の効き方も含め)も期待できるとのことで、なるほどと思いました。
※再任用制度の運用は、自治体でそれぞれでしょうが。
46: 北法研 パピコ
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2015/11/21 11:36:56
ぴょんさま
請求にかかる費用負担について
・自治法上の手数料とせず、改正行審法の施行条例に
実費負担、減免の条項を入れる(手数料条例改正なし)
・自治法上の手数料とし、改正行審法の施行条例とは別に、
請求にかかる手数料条例の改正を行う
自治法上の「手数料」なのか、
手数料ではなく「実費の負担」なのか
整理しないと条例改正に影響がでる可能性はありますか?
それと上記の折衷案で、自治法上の手数料だけど、
施行条例に入れていますので手数料条例改正はしなくてもいいですよね。
はありでしょうか?
例えばうちの手数料条例ですが、
地方自治法第227条の規定による手数料の徴収については、
「別に定めるものを除く」ほか、この条例の定めるところによる。
とあります。
条例改正以前に、「自治法上の手数料」なのか、「実費負担」なのか
それとも「情報公開の実費負担も実は自治法上の手数料だった」のか
整理しないと今後の運用で不都合が出てきませんか?
(どのような不都合があるかわかっていませんが・・・)
ぷよぷよさま
元部局長の審理員は処分庁としてはきついですね。
「担当者時代に闇の○○方式の発案者」だったりするので・・・(笑)
「法制担当」の方が審理員にあたる可能性はありますか?
(個人的には適任かと)
ただ、処分に「相談」という形でかかわることも多いのでしょうけど。
47: くすのき
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2015/11/22 22:18:48
情報公開法が閲覧も含めて手数料を徴収することから考えると、特定の者へのサービスではなく、主権者とか公人のようなものを観念しているのかもしれませんね。
情報公開条例には閲覧無償の規定はなく、単に閲覧実費が規定されていますから。
だとすると実費の徴収規定は単なる実費の徴収ではなく、新たな義務付けですね。
単なる実費徴収なら、14条2項の義務付けにはならないはずです。
48: bottom
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2015/11/23 22:45:42
新行政不服審査法が、「・・(条例)で定める額の手数料を納めなければならない」としているのに、手数料ではなく、実費徴収として整理することはちょっと難しいのではないでしょうか。
ただ、その場合、情報公開条例による写しの交付を実費徴収としているところは、整合性の問題はでてきますが、そもそも、制度が違うと整理するか、あるいは、この際なので、情報公開条例も手数料とするかのどちらかではないでしょうか。
あと、手数料と整理するとしても、手数料条例に入れると減免が規定しにくいのではないでしょうか?
話は変わりますが、情報公開条例との関係で言えば、審査会委員への守秘義務と違反に対する罰則規定も悩ましいところではないでしょうか。
罰則規定は、国の行政不服審査会委員にはありますが、自治体の情報公開審査会委員にはない場合があります。
49: 北法研 パピコ
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2015/11/23 23:18:18
改正行審法では、「閲覧は無料」「写しの交付は手数料」と読めます。
47くすのきさまの
「情報公開法が閲覧も含めて手数料を徴収することから考えると、
特定の者へのサービスではなく、主権者とか公人のようなものを
観念しているのかもしれませんね」
をもう少しご解説いただけませんか?
この課題を整理する大事なところかと思います。
bottomさま
ご懸念のとおりです。改正行審法を「自治法上の手数料」
とすると整合性がとれない自治体もでる、
同様に審査会の罰則も整合性がとれない状況になります。
条例策定前に、改正行審法と情報公開条例の整理が必要でしょうか?
50: ぴょん
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2015/11/24 07:05:38
コメントが遅くなり、すみません。
やはり、法が手数料として徴収することを想定しているのに、実費徴収とするのは難しいですよね。
そうなると、手数料の規定については、手数料条例ではなく、第三者機関の設置についての規定と併せ、行政不服審査法施行条例(仮)とするかもしれません。
その際、情報公開条例をどうするかは、悩ましいところです。
情報公開・個人情報公開審査会とのバランスから、第三者機関の委員についての罰則規定も設けることになると思っています。
実務上は、検察庁との協議に時間がかかるかもしれませんが。
51: くすのき
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2015/11/24 11:33:01
パピコさま
改正前の情報公開条例です。
(手数料等)
第12条 公文書の公開に係る手数料は、公文書1件(簿冊にあっては、1冊)につき200円とする。
2 公文書の写しの交付を受ける請求者は、当該写しの作成その他の交付に要する費用を負担しなければならない。
「市政への市民参加」という目的から、「個人の都合(だけ)で請求しているのではない」という考え方から手数料を無償にしたのでしょうね。
理屈を言えば、閲覧の処理の部分で手数料相当分の経費はかかっており、それを無償にした後は「コピー代と郵送費だけ」であって手数料とはいえないということでしょうね。
国との違いは、国は「閲覧か写しの請求か」という開示方法の択一ですが、自治体は「公開(処理)」があって、そのオプションで「写しの交付」があるというしくみなのではないでしょうか。
だから、実費なのでしょう。
52: くすのき
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2015/11/24 11:54:09
O市の例です。
(手数料等)
第16条 公文書の公開に係る手数料は、無料とする。
2 第14条の規定により公文書の写しの交付(電磁的記録にあっては、これに準ずるものとして市長が定める方法を含む。)を受けるものは、当該写しの作成及び送付(電磁的記録にあっては、これらに準ずるものとして市長が定めるものを含む。)に要する費用を負担しなければならない。
このように規定すれば、「実費≠手数料」が分かりやすいですね。
前の私の投稿の自治体では、条例改正の際に手を抜いて(笑)、12条第1項の削除だけを行っているので、趣旨が分かりにくいのですよ。
53: 北法研 パピコ
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2015/11/24 23:15:16
くすのきさま ありがとうございます。
情報公開の手数料ですが、
国民主権の理念に基づき、国や自治体は説明責任を果たすために、
だれにでも情報公開の請求権を認めている。
だれにでも認めている制度だから、一部の者(請求者)が
この制度を利用するにあたり、発生する行政コストは
受益者負担の考えから請求者にも「一部」負担してもらう。
ということですね。
手数料についてbottomさまご指摘の通り、そもそも、制度が違うと
整理するか、あるいは、この際なので、情報公開条例も手数料とするか
のどちらかは難しいですね。
改正行審法で請求される資料も情報公開条例で請求可能です。
個人的にはそれぞれの制度で手数料が違うのはおかしいのかなと・・・
54: 北法研 パピコ
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2015/11/24 23:20:15
行政不服審査会の罰則ですが、一般職の国家公務員、
情報公開・個人情報保護審査会員の守秘義務違反と同じ
1年以下の懲役、50万円以下の罰金みたいです。
地方自治体の第三者機関も右にならえでしょうか?
情報公開審査会も扱う秘密は第三者機関と同等かそれ以上かと思います。
それならば罰則規定をおかないと合わないような気がします。
55: ぴょん
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2015/11/25 07:22:59
くすのき様の整理では、
情報公開法では、個人の都合で請求しているのだから、受益者負担として、開示についても、写しの交付についても手数料を負担してもらうけど、
情報公開条例では、個人の都合で請求しているのではないから、開示の手数料は取らないけど、写しの交付の実費(コピー代)だけ、負担してもらう
ということですね?
法と条例では、そもそも考え方が違いますね。
56: 北法研 パピコ
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2015/11/25 23:54:43
資料の写しの交付について情報公開法と改正行審法の違いはありますか?
どちらも情報公開請求ですが、
それぞれの法は情報公開と行政手続きが趣旨と思います。
制度は違いますが、交付にかかる作業内容(行政コスト)は同じなので
改正行審法に情報公開条例を併せるべきでしょうか?(罰則、金額も含めて)
57: くすのき
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2015/11/26 15:49:31
>情報公開法では、個人の都合で請求しているのだから、受益者負担として、開示についても、写しの交付についても手数料を負担してもらうけど、
>情報公開条例では、個人の都合で請求しているのではないから、開示の手数料は取らないけど、写しの交付の実費(コピー代)だけ、負担してもらう
とまで、言い切れるかどうか分かりませんが(すいません。笑)、公開条例では、「手数料か実費か」という 選択によって写しの代金を決めているわけではないということではないでしょうか。
繰り返しになりますが、上記「51」の条例改正(閲覧は無料だから1項を削除すればよい。)は考えさせられます。単なる文章と法との違いついての理解が問われますね。
58: くすのき
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2015/11/26 15:53:53
罰則は、情報公開審査会と合わせるというか、違える理由がないですね。
他の附属機関については、それぞれではないでしょうか。
政策立案系は罰則はなじまない気がします。
また、そもそも要綱や規則設置が多いので罰則が設けられませんね。
59: くすのき
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2015/11/26 17:29:27
審理員について。
どうも、第三者機関(類似の機関)であるかのような誤解、というかそもそも何か大げさに、必要時要にシステマツィクに考えているきらいがあると思います。
単に、裁決書の作成手続の一環ですよね。審理員の指名は。
そもそも、長が自ら裁決書を作成するはずもないのですから、仮に審理員がいなくても誰かにさせますよね。
審理員に補助者を置くなどという理解もあるようですが、法制や総務の係長クラスの実務者をを審理員すべきではないでしょうか。
そうすれば、教委も職員に(審理員とは呼びませんが)実際の審理を行わせることと違いはなくなります。現在でも規則等でそのような手続が定められているところです。
つまり。
「裁決書の原案は、実際には、審理長ではなく実務に当たる職員が作成するもの。」という、当たり前の作業の中で、職員が「審理員」という「名札」をつけているだけではないでしょうか。
60: ぴょん
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2015/11/27 00:53:16
裁決書の原案は、実際には、審査庁ではなく、職員が作成するものというのは当たり前で、首長以外の執行機関でも、それは同じ。
とすると、なぜ、首長が審査庁の場合にだけ、「審理員」を指名することにしたんでしょうね?
首長以外の執行機関では、合議制で審理の公正性が保てることから、第三者機関が不要なのは、まだ理解ができますが。
61: くすのき
-
2015/11/27 16:40:04
それは、本件に限らず、制度と実態との違いではないでしょうか。
法がだれを指名しようが、実際には職員が処理しますよね。
第三者機関が公平性を保てるという制度設計は、それはそれとして、教育委員(全員)が実際に審査してペンを持つわけではありませんよね。
行政事務一般においても、法律や条例で「市長が許可する」と規定しても市長が許可の判断をするとは限りません(おそらくしない)し、それが違法だとは誰も考えません。
「第三者機関が公平性を保てる」という制度設計が一種の「虚構」であることを理解し、「実際の処理はどうなるのか」という風景を思い描くことが制度を手の内に入れることに繋がると思います。
最終裁決書を教育委員会会議に諮りさえ「適法」なのではないでしょうか。
62: bottom
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2015/11/29 23:43:04
審理員については、結局のところ、充て職のようになるとしても、審理員意見書の作成・提出や手数料の減免決定などは、審理員名で行うことになると思います。
その際に、審理員意見書には、審理員の記名と押印をするのでしょうか?
また、手数料の減免決定書も同様でしょうか?
押印をするとした場合は、「審理員の印」を新調するのでしょうか?
質問ばかりですいません。
63: くすのき
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2015/11/30 09:52:01
減免の権限が審理員にあるのですか?
市長ではないのでしょうか。(教委への審査請求の場合も市長)
審理員には、真に対外的な(法的な)権限は一切ない、考えますが。
裁決は審査庁が行うものであり、審理を行う手続の一つが「審理員」です。
「審理員」は機関ではなく、「人的手続」に過ぎないと考えます。
64: くすのき
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2015/11/30 09:54:30
質問です。
水道局などの企業の処分については、市長が審査庁になると考えます。
審理員は、
①市長の補助執行で水道総務に行わせる。
②あくまで、市長部局の職員に行わせる。
どちらが適当でしょうか。
65: くすのき
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2015/11/30 10:32:04
62について。
法38条5項により、減免は審理員が行うのですね。
執行機関でない者に権限を与えているのですね。
施行令(案)13条2項によると、「減免理由を記したしょめんを提出」とされています。これは、減免申請権を認めたもの、つまり、減免が処分であるとしたものなのでしょうかね?
66: ぴょん
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2015/11/30 23:24:16
審理員は、執行機関ではないものの、審査請求の審理については、手数料の減免も含め、審理員の名前で行うのですよね。
だとすると、審理員の私印でもよいのかもしれませんが、公印も必要かもしれませんね。その場合、「○○市(町村)審理員之印」とかいうことになるのでしょうかね。
67: bottom
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2015/12/01 00:07:15
64について
②でよいのではないでしょうか。
審理員は、処分庁から組織的に距離があった方が、審査請求人からの信頼も得られると思います。
68: くすのき
- 2015/12/01 11:46:34 手数料の減免は審理員ですが、徴収は、やはり、市長だと考えますが如何でしょうか。
69: 北法研 パピコ
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2015/12/01 15:33:31
手数料は審査員や審査会が行う写しの交付に対するものですから、
市が審査庁なら徴収できると思います。
(審理員にそこまでの地位を設定していないのでは?)
写しの交付の減免について、条例で審理員や審査会による減免を
規定した場合、それは長等からの委任ではなく、新たに減免に関する
事務執行権を設定してあげるということでしょうか?
(附属機関の審査会に減免の事務執行権を付与できますか?)
今月のまとめ
2015/11/30
今回は、新行政不服審査法の施行に向けて、議論を行いました。
具体的には、
・そもそも行政不服審査法による審査請求の対象となる処分とは何か。
・審査請求の提起から裁決までの標準的な期間を定める「標準審理期間」をどのように考えるべきか。
・首長以外の執行機関(教育委員会など)における審理手続はどうあるべきか。
・新行政不服審査法で実質的な審理を行う審理員の位置付けはどうすべきか。
・審理員にはどのような職員を充てるべきか。
・審査会と審理員との関係はどのように考えるべきか。
・資料の写しの交付の手数料については、情報公開制度の実費徴収とも関連してどのように考えるべきか。
など実務上気になる様々な論点が提示されました。
必ずしも、「答え」があるものばかりではありませんが、何を「気にしなければらない」のかは、
見えてきたように思います。とりわけ審理員の位置付けは難しいものがあります。
どこの自治体も来年(平成28年)4月1日にはヨーイ・ドンでスタートします。
現行の審査の事務の流れは自治体によって様々でしょうし、審査会の取扱い(単独設置なのか、近隣自治体による共同設置なのか、県などへの事務委 託なのか、など)も地域ごとに判断が分かれていきそうです。
そのため、どこかの自治体に右に倣えというわけにはいかず、それぞれの自治体が最適解を求めて悩みながら模索していくことになります。
あと、4か月です。がんばりましょう!