国、自治体における生物多様性の取組
2024/06/27
これまで日本でも生物多様性に関する取組が行われてきました。その取組の柱である生物多様性国家戦略とは、生物多様性条約及び生物多様性基本法に基づく、生物多様性の保全と持続可能な利用に関する国の基本的な計画です。1995年に最初の生物多様性国家戦略を策定し、これまでに5回の見直しを行っています。自治体では、2008年に施行された「生物多様性基本法」に基づいて、生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する基本的な計画を策定し、具体的な行動計画を定め政策を進めています。今回は、この生物多様性の取組を概観します。
1: シナプス
- 2024/07/16 08:28:32 生物多様性基本法では、自治体に生物多様性基本計画を策定することとしています。ただ計画そのものは、新たに単独で策定しなくてもよいとされ、地域の実情に合わせて、環境基本計画や緑の基本計画、地方版総合戦略など既存の計画に統合して策定された例もみられます。
2: jichiemon
- 2024/07/18 09:08:59 まず、国の戦略がありますよね。国の「生物多様性国家戦略」とは何でしょうか?
4: シナプス
- 2024/07/18 09:11:36 簡単に言うと、日本全体の生物多様性を守るための国の計画です。2023年3月に最新のものができました。最新版では、2030年までに「ネイチャーポジティブ」を実現することを目指しています。これは、生物多様性の損失を食い止め、回復軌道に乗せることを意味します。 そのために、5つの基本戦略を立てています。
5: jichiemon
- 2024/07/19 07:11:32 5つの戦略…ですか?
6: シナプス
- 2024/07/19 07:12:21 はい。ざっくりいうと、生態系の回復、自然を活用した社会課題の解決、自然に配慮した経済活動、生物多様性の価値観の浸透、そして取り組みを支える基盤整備と国際連携です。 これらの戦略を達成するために、国は様々な施策を講じています。
7: jichiemon
- 2024/07/19 07:14:39 なるほど。では、各自治体ではどんな取り組みをしているのでしょうか?
8: シナプス
- 2024/07/20 21:30:53 各自治体では、国の生物多様性国家戦略を基本として、それぞれの地域特性に合わせた「生物多様性地域戦略」を策定しています。 これは、地方公共団体が努力義務として定められています。 2024年1月時点で、47都道府県と166市区町村が策定済みです。
9: jichiemon
- 2024/07/21 21:28:04 地域によって、色々な戦略があるんですね!
10: シナプス
- 2024/07/21 21:30:08 そうなんです!地域戦略では、地域の自然環境の現状を把握し、課題を抽出し、将来像を明確にした上で、具体的な目標や施策を定めます。 そして、その進行状況をモニタリングし、必要があれば見直し・改善を行います。 地域戦略は、単なる自然保護だけでなく、地域住民が将来にわたって持続的に暮らすことができる地域づくりに貢献するものとして期待されています。
11: jichiemon
- 2024/07/21 21:31:06 具体的には、どんなことをするんですか?
12: シナプス
- 2024/07/22 20:11:50 例えば、里山の再生や保全、外来種の駆除、自然環境学習の推進などがあります。 これらの取組みには、行政だけでなく、市民、NPO・NGO、企業、学校など、様々な主体の参加・連携が重要です。 また、地域戦略を策定することで、民間企業からの投資を誘引することも期待されています。 企業は、生物多様性に配慮した事業を行うことで、自社の企業価値を高めることができます。
今月のまとめ
2024/09/01
生物多様性の取組は、地域を元気にすることにも繋がります。生物多様性を守ることは、私たちが将来も豊かに暮らしていくために、とても重要なんですね。改めて住まいの地域の生物多様性について考えていきたいとおもいます。次回はテーマは「地域公共交通」を取り上げてまいります。